最近、古い小説を読み返している。
20年くらい前、村上春樹の小説が好きでよく読んでいた。
30年くらい前に書かれた彼のデビュー作をはじめ、ここ1週間の間に4作ほど読んでみた。
彼の作品(少なくとも初期の作品)には、一貫したテーマを感じる。
それは、だいたいこんなことだと思う。
現在なら適応障害と言われるであろう“生きにくさ”を抱える人々と、
一見世の中をうまく渡っているように見えるけれど実はかなり“生きにくさ”を抱えている主人公との、
生と死をめぐる人のあり様……
戦後の復興の中で育てられた彼の作品の主人公世代は、
やがて日本の画期的な変革を夢みて学生運動をおこした。
そんな時代にも、学生運動の波に乗れず、人知れず“生きにくさ”を感じながら、
それでも自分が存在する意味を見いだそうと、もがいていた人たちがいた…
『死は生の対局にあるのではなく、生の一部だ』
彼は作品の中で主人公にそう言わせた。
人が生きるということについて、
心のあり方について、
学者たちが分析し論文を書く中
物語というかたちをとって深く考え、表現した人がいた。
きっと彼は、自らが生きながら、学者たちが分析するものを体感し、表現したのだろう…
そんな感覚を抱かせてくれる小説が、私は好きだ。
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- 2010/09/26(日) 16:11:41|
- 生き方
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ここのところ、久方ぶりの古い友人からの連絡が相次いでいる
去年の夏、長いトンネルから這うように抜け出てきた友人は
そのあとまたトンネルに引き返してしまっていた
あれから1年かけて、今度はしっかり自分の足で立ち上がって出てきたようだ
もう戻ることはないだろう
苦しかった思いは、決して無駄にはならない
これからの彼女の人生に、大きな力を与えるだろう
暑すぎた夏が終わり、
観たかった映画に癒やされ、
ごぶさたしていた友人たちから近況がよせられ…
自分自身のあり方や心の動き
そういうものと、人とのつながりを思う…
何か意味があるように感じる…
- 2010/09/17(金) 12:53:46|
- 生き方
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公開前から楽しみにしていて、やっと観にいけた。
借り暮らしのアリエッティ
期待を裏切らない、いい映画だった。
ジブリの映画は、しみじみと、ほのぼのと、じんわりと、心に染み入ってくる
人の心の中に確かに存在する、かけがえのない、大切な想い…
そんなものを、静かに、ゆっくりと思い出させてくれる。
「心が洗われる」
そんな言い方ではあまりに平凡すぎるくらい、
心の中がふんわりとあったかい感じで満たされて、
汚れが流されていくような感覚…
また少し、優しくなれる気がする
- 2010/09/16(木) 12:15:20|
- 生き方
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日が暮れた道を、久しぶりに散歩してみた
こんなに涼しさを感じながら歩くのは、もうどのくらいぶりだろう…
秋の虫たちがあちこちから声を響かせていた
毎年この声を聞くと、ほっとした気持ちになる
来週からはやっと気温が下がってくるらしい
今年は秋がないと言われるけれど、この短い心地よい時間を満喫しよう…
- 2010/09/10(金) 08:11:36|
- 想い
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仕事帰り
今日も暑い…
と思いながら空を見上げた
そこに広がっていたのは、秋の象徴 うろこ雲
毎日毎日、猛暑日や熱帯夜の記録ばかりが取りざたされるけれど
そよぐ風や 色を変える空や 過ごしやすくなった夜の空気が
秋の訪れを感じさせる
- 2010/09/03(金) 18:02:14|
- 空
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