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心の旅


今回の旅は、長時間移動の多い旅だった。
北海道新幹線の4時間に始まり、
松前への高速バス3時間、
札幌への移動は列車で4時間。

日常から離れてのんびり今の自分を確認するには、
ちょうどいい行程だった。

どういうわけか、今回私が移動中の友に選んだのは、
心の病と親子関係について精神科医が書いた本だった。

そしてまたどういうわけか、
行く先々で出会う人たちは、東京や神奈川に長く暮らした人だった。
東京オリンピックのとき、まさに東京にいたというじいちゃん。
夫は元自衛官で横須賀にいたというおしゃべり好きのおばちゃん。

久しぶりに会った旧友とはすっかり夜も更けるまで話し込み、
人の生き方や価値観について語り合った。

旅先という非日常にいながら、自分の生活圏を想起させる人や事に触れる。
そんな旅だったからこそ、『再確認』にはうってつけだったのだろう。

まもなくこの北の大地を経つ。
それまでもう少し時間があるからと、
街を見渡せる高いところでくつろいでいる。

ここから眺める街の日常は、とても穏やかだ。
私の日常と比べると、圧倒的に人が少なく、喧騒がなく、
行き交う人の足どりもゆるやかだ。

毎回、旅に出るたびに思う。
この時間が、この空間が、今、必要だったんだと。



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  1. 2017/06/21(水) 15:57:42|
  2. 生き方
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松前へ


久しぶりの北海道。
今回の旅は、いつもとはまた違う趣。

旅の始まりは、新幹線だった。
飛行機なら1時間程度の距離を、
早起きして初めての北海道新幹線に乗りこみ、
のんびり4時間をかけて函館に入った。

海を渡るのはトンネルの中だと言ってしまえばそれまでのこと。
30年以上も前に青函連絡船で渡った、
あの海の中を新幹線で走っていると想像するのはおもしろい。

勝手のわかる函館の街ではのんびり過ごし、
2日めは長距離バスに乗る。
目指すは松前城。

函館まで来ていても、そこから車で2時間半はかかる松前へは、
そのためだけに1日費やす覚悟を決めないとなかなか行けない。

途中に寄った木古内駅は、思いのほか大きくてきれいなところだった。
これも新幹線開通の恩恵だろうか。
帰りには、あの木古内駅でバスから電車に乗り換える。
たっぷり時間があるから、道の駅でゆっくりしよう。

バスは海沿いを離れて、山と田んぼに囲まれた道を走る。
目的地までは、あと1時間ほどだ。



  1. 2017/06/19(月) 12:40:14|
  2. 生き方
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博士の愛した数式


ある学生が好きだというその本を、私も読んでみようと思った。

それは、とても純粋で素朴な愛情と、静かなやさしい美しさを感じる作品だった。

ただそこにある数字にも意味があること。
その意味を大切に扱い、慈しみ、称賛すること。
私が学生たちに対してやろうとしていることと、よく似ている。

そこに大事なものがあることに気づき、自覚することが大切なことなのだ。
私の仕事は、その気づきを促すこと。
自覚を促し、応用の可能性を共に探ることだ。

主人公は、博士の問いかけや数字を大切に扱う様を通して、
いろいろな気づきを得ていく。

作品全体に流れる空気は素朴で静かでやさしいけれど、その中に時折頑固さが現れる。
そんなところが、この本を好きだと言った学生によく似ている。

博士は、『考える』ことを大切にした。
「今、ここにあること」に真剣に向き合い、
自分の頭で考えて導き出したなら、
それが数学的に正しくなくても、博士は賞賛した。
何かを導き出したプロセスに目を留め、その真摯さを、美しさを讃えた。

博士のような素朴さや温かさで、
学生たちの気づきを促し、『考える』ことを促していこう。



  1. 2017/05/03(水) 16:46:53|
  2. 生き方
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走り出せ


毎年この時期は、動き出しの遅かった学生たちも次々に就職先が決まっていく。
入社までのほんのつかの間、ホッとする時間だろう。

新しい世界へのスタートラインはもうすぐそこだ。
走り出せ。希望を持って。

そして、来年卒業する学生たちも就職活動を開始した。
走り出せ。挑戦のときに。

厩務員を目指していくつかのファームを体験した彼女も、
みごとに第一志望のファームへの入社を決めた。

これからいろんなできごとが彼らを待つだろう。
うまくいかないことも、苦しいことも、時にうれしいことも。

どんなできごとにも『一所懸命』に向き合い、
『今できること』に全力を注いでほしい。
『今、どうすればよいか』を真剣に考えてほしい。
それを積み上げていくことが、成長につながるから。

生まれたての仔馬が、あんなにも華奢な脚で、自力で立ち上がるように。
社会人1年生の若者たちも、『自ら』行動を起こしてほしい。

立ち上がった仔馬が親のあとを追って走ることを覚えるように。
先輩たちの姿を見て、自分が何をしたらいいか、どうしたらいいかを考えてほしい。

人との関わりの中で、競走馬として走ることを覚えるように。
多くの人と関わりながら刺激を受け、変化していくことを恐れないでほしい。
変化することは、成長するってことだから。

競走馬がいくつものレースを経験して得意な距離やコースを見極めていくように、
多くの体験を通して自分の得意な仕事ややりかたを身につけていけばいい。
その成長を願い、祈り、喜ぶ人が必ずいるから。

走り出せ。颯爽と。



  1. 2017/03/04(土) 17:06:14|
  2. 生き方
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夢と行動力


「何をしたいのかわからないけど、とりあえず実家に帰る」

地方から進学のために出てきて、警察官を目指し、希望叶わず。
実家が大好きだという彼女はそう言った。

彼女の実家近くでどんな求人があるのか情報を提供したが、
どうやら彼女の興味をひくものはないようだった。

これまでの経験に話を移すと、
それはそれは様々なことに興味を持ち、興味を持っては挑戦し、
なかなかおもしろい体験をしていることがわかった。

子どもの頃から馬が好きで騎馬隊を目指したり、
競走馬に興味を持って場外馬券場でアルバイトをしたり。

彼女は自分のやりたいこと、好きなことに立ち返った。
騎馬隊の夢敗れた今、競走馬を育てる仕事をしてみたいという。
そのためなら全国どこにでも行き、住み込みで働くと。

調べてみると、資格要件等をクリアし、彼女が応募できそうな
厩務員の求人をいくつか見つけることができた。
しかし、ただ好きなだけでやっていける世界ではない。
今彼女に考えうる全ての想像力を使っても、それ以上に厳しい世界。
生きもの相手であるがゆえ、勤務時間などあってないような世界だ。

彼女の夢と行動力を後押ししながら、
本当に厳しい世界に飛び込む覚悟があるのか、何度も確認した。
時に悔し涙を流しながら、それでも彼女はやりたいと言った。
1年の中でも一番厳しいこの季節に、現場体験に行くことを決めた。

彼女は何を感じ、何を得て帰ってくるのか・・。
もしも彼女が別の道を選ぶとしても、この体験は貴重なものになるだろう。
そして力強く、自分で決めた道を進んでいくだろう。

私はただ、彼女の夢を応援するだけだ。
彼女の挑戦欲を満たすために、手伝いをするだけだ。
そしてもしも彼女がめげそうになったとき、ほんの少し話を聞いて、
彼女の持つ夢と行動力を、思い出させてあげるだけだ。


  1. 2017/02/10(金) 15:43:21|
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