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不思議な森へ再び


昨日と同じように、森に挟まれた道を抜けた。
そして、昨日こびとがいた森とはまた別の森に入った。

そこにはヨーロッパの建物がひっそりと建っていた。
中にはいくつかの礼拝堂が配され、美しいステンドグラスが彩っていた。
調度品もお手洗いも、ヨーロッパ風に揃えられている。
建物の中にいると、自分が今どこにいるのかわからなくなった。

礼拝堂でパイプオルガンの響きを聴いていると、
何だかとても厳かな気持ちになった。
知らないうちに涙が流れていた。

アリスみたいな時間ももうすぐおしまい。
夢から覚めて、元の世界に戻らなければ。


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  1. 2019/06/20(木) 16:06:48|
  2. 生き方
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不思議の国のアリス


~不思議な森の間の道~

道路の両脇は、ちょっとした森になっている。
森の奥数百メートルのところには、家々が建ち並んでいるのが見える。
森と道路が一定の幅を保ったまま並行に伸びている。
ところどころに、森の奥の住宅地から道路に出てくるための路地がついている。

この土地は、なぜこんなに不思議な形をしているんだろう・・・

森に挟まれた道路の先は、現実から切り離された場所みたいだった。
濃い緑の匂いがするその場所の、さらに奥まった森の中に美術館があった。
こびとの世界を旅するようなその美術館には、そこはうってつけの場所だった。

~小説に出てきそうなホテル〜

その小さな駅の小さなホテルは、古い小説に出てきそうだ。
およそホテルの入口には見えない、見過ごしてしまいそうな入口を入ると、
受付には地元の主婦かホテルオーナーの奥さんか、というような女性が座っていた。
上品な制服を着こんで気の利いた笑顔を見せる一般的なホテルのフロントとは、だいぶ様子が違う。

部屋のドアは年代を感じさせる木製で、
鍵は昔ながらの、簡単に合鍵を作れそうな、くるっと一周まわして開閉するタイプの鍵だ。
こんな風合いのドアや鍵には、おそらくもう何十年も出会っていなかったと思う。

部屋の中には必要最低限のものしかない。窓は小さい。
地上デジタル放送対応の薄型テレビだけが現代のもののようで、
何だかその空間にあっては妙に違和感を感じる。

この土地は、時間の流れ方や空間の在り方が違うみたいだ。
もうしばらく、不思議な穴に落ちたアリスみたいな気分を味わうことにしよう。



  1. 2019/06/19(水) 18:30:42|
  2. 生き方
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猪苗代にて


6月17日、横浜は朝から暑かった。
さあ、今日から休暇だ。のんびり楽しもう。

猪苗代の気温は横浜よりだいぶ低い予想だったから、
心地よく過ごせるだろうと楽しみにしていた。

猪苗代につくと、少しひんやりするほどだった。
前日から4月に戻ったような涼しさで、朝晩はストーブを焚いたのだという。

静かな山の中、広い和室、客室ごとにある源泉掛け流しの露天風呂。
部屋とお風呂とお料理を満喫する、贅沢な時間だ。

青い空に真っ白な雲が流れていく。
地上にも爽やかな風が吹く。
自然の風を部屋に入れて、こんなに気持ちがいいと感じるのは久しぶりだ。
耳を撫でる自然の音たちも心地いい。
鳥の声、風に揺れる木々の音、絶え間なく流れる温泉の音・・・。

都会の喧騒を離れて非日常を旅する、大切な時間。



  1. 2019/06/18(火) 17:50:24|
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想像力を欠くということ


「想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生する。そこに救いはない。
僕はそういうものに、入ってきてほしくない。」
村上春樹が物語の登場人物に語らせた言葉。

今朝の早い時刻、水を買おうと思って、珍しく自動販売機を使おうと思いたった。
家の隣に2台ある自販機のひとつに、100円硬貨を2枚入れた。2本買うために。
硬貨が落ちていく音がしない。
試しに購入ボタンを押してみたが、自販機は無言のままだ。
硬貨の投入口を少し叩いてみたが変わらない。
今度は投入口を覗き込んでみた。
すると、レシートのようにも見える小さな紙が押し込まれていて、
硬貨が通り抜けられなくなっている。

このあたりは、夜中によく酔っ払ったらしい人の声が聞こえる。
ふざけながら、他人の迷惑も考えずに騒いでいる。
そういう人たちが悪ふざけのつもりでやったのだろうと、
まるで見てきたかのように光景が浮かんだ。

「想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生する。そこに救いはない。
僕はそういうものに、入ってきてほしくない。」
・・・いま、多くの人たちが想像力を欠き、自分第一主義になっている。
ものが溢れ、何でも機械が対応し、リアルとバーチャルの境がわかりにくくなり。
そんな時代の、これは副産物なのか・・。
・・・そんなことを考えて、何だか悲しい気持ちになった。


  1. 2019/05/25(土) 13:25:28|
  2. 生き方
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歩き出す力


振り返れば、逃げてばかりの就活だった。
石橋を叩いて叩いて、壊してしまう就活だった。


入社の日を目前にして、辞退したい、でも直接話せない、と話す彼。
内定先への恩がたくさんあると言いながら、
でも辞退の話を直接することはできないという・・・。

この期に及んでなお、社会に踏み出す覚悟ができていないのだ。
将来にわたって安全が確約された橋でなければ、渡りたくないのだ。

誰にでも、初めてのことへの怖さはある。
怖いからと逃げてばかりでは、何も始まらない。

行動を起こして初めて、反応を得ることができる。
その反応をヒントにして、自分を成長させていけばいい。
例えばケガのひとつくらい負ったとしても。
それが、社会という場所で、自分の足で歩いて行くということだ。


誰かが言った。
「我々は事が起きるまでは何もできない。
起こってからではもう遅い。
彼らを守ってやれない・・。」


事が起きる前に、自分の頭で考えられる大人になってほしい。
何かのときに、自分や大切なものを守れる大人になってほしい。

私はそのために、人生の転機に関わる仕事を選んだ。

この一期一会は、彼らを守ってやれないかもしれない。
それでも、彼ら自身が持っている力や可能性がある。


今すぐじゃなくていい、いつか彼が何かに向き合ったとき。
こんな話をした人がいたと、思い出してくれればいい。
思い出さずとも、いつか彼の人生の選択のヒントになり得たらいい。

入社を目前に控えて、逃げてばかりの就活だったと気づけた彼。
これからの人生を、逃げずに自分の足で、歩いて行く力になりますように。



  1. 2019/03/17(日) 15:53:02|
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